8/18
前へ
/143ページ
次へ
  目を白黒させて、変な顔で泡を吹きながらばたつく智哉を見て優越感に浸っていた 「カッコいい顔が自慢だったんじゃないのか? 今のお前は平均顔の俺より不細工だぜ?」 親指に力を入れて、更に首を絞め上げる 「お前の事‥‥‥ずっと親友だと思ってたのに‥‥‥ずっと一緒に馬鹿やっているもんだと思ってたのにな‥‥‥」 智哉の首を絞めながら、俺は目を閉じて泣いた 「なに言ってんだよ。」 出せない筈の智哉の声が聞こえ、驚いて目を開けて智哉を見た すると、いつもの様に八重歯を見せながら笑っている智哉がいた 「俺達“親友”だろ? 離れるわけないだろ。心配しなくても、どんな時でもお前のそばにいてやるよ‥‥」 首を絞めている手には、喋っているような喉の振動は伝わってこない でも、確かにこの声は動いている智哉の口から聞こえてくる 気味が悪くなり、俺は更に強く絞め出した  
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

194人が本棚に入れています
本棚に追加