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  「何ビビってんのよ。早く準備しないと遅刻しちゃうよ?」 そう言って立ち上がると、ドアへと歩いていった 「夢か‥‥‥‥だよな‥‥‥‥」 安心して溜め息をつけたのはその一瞬だけ 俺は、股の間に変な違和感がある事に気付いた タオルケットが掛けられているせいで何かは分からないが ‥‥‥‥‥生暖かい‥‥? 自分でも分かるほど、みるみる血の気が引いてゆく感覚に“恐怖”と“焦り”の冷や汗が滲み出す もしかして‥‥‥‥‥? ‥‥‥だけど、あれはただの夢 そんな筈はない‥‥‥‥ 『何もあるわけがない』と思っていても、自分で捲(めく)る勇気がない      『見たくない』 そんな俺の意思とは裏腹に、宙を舞う様に勢い良く捲り上げられた  
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