17/18
前へ
/143ページ
次へ
  「なんだ、何もないじゃない。」 ‥‥‥確かに違和感はあった だけど、“捲られた瞬間に”と言って良い程、突然とその違和感は消えていった 声のした方へ顔を上げると、両手にタオルケットを握り締めたまま笑っている姉が立っていた 「青い顔して股の間見てるから、オネショでもしたのかと思ったのに。」 「っっ――!! いい年してするワケねーだろ!!!」 俺の言葉を無視するかの様に、握っていた手を放して、背を向けて歩いて行った 「あんたさ、まだ若いのに元気ないね~」 ニヤニヤしながらそう言うと、静かにドアをしめた 何を言っているのか理解するのに、それほど時間は掛からなかった 「ま‥‥‥‥そんくらい怖かったって事だよな。」 自分自身に言い聞かすように呟いた後、重く感じる腰を上げて洗面所へと向かった  
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

194人が本棚に入れています
本棚に追加