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「なんだ、何もないじゃない。」
‥‥‥確かに違和感はあった
だけど、“捲られた瞬間に”と言って良い程、突然とその違和感は消えていった
声のした方へ顔を上げると、両手にタオルケットを握り締めたまま笑っている姉が立っていた
「青い顔して股の間見てるから、オネショでもしたのかと思ったのに。」
「っっ――!! いい年してするワケねーだろ!!!」
俺の言葉を無視するかの様に、握っていた手を放して、背を向けて歩いて行った
「あんたさ、まだ若いのに元気ないね~」
ニヤニヤしながらそう言うと、静かにドアをしめた
何を言っているのか理解するのに、それほど時間は掛からなかった
「ま‥‥‥‥そんくらい怖かったって事だよな。」
自分自身に言い聞かすように呟いた後、重く感じる腰を上げて洗面所へと向かった
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