始まり

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  ここは“自殺の名所”と知られていて、滅多な事がない限り普通の人は誰も近づかないような樹海の中 俺は今、親友の智哉(ともや)の首を絞めている最中だ 理由はしょうもない事 こいつが俺の好きな女に手を出したから だから俺も手を出したまでの事だ 目を白黒させて、変な顔で泡を吹きながらばたつく智哉を見て優越感に浸っていた 「カッコいい顔が自慢だったんじゃないのか? 今のお前は平均顔の俺より不細工だぜ?」 俺の左腕に一つ、5センチ程の傷を残した後動かなくなったあいつから手を放した きつそうな体勢で寝転がっているあいつの側へとしゃがみこみ、自慢の顔にナイフを何度も突き刺してやった 「何かに食べてもらえればいいけどな。けどそんな顔じゃ野良犬でも不味そうだから嫌がるかもな!!!」 嘲笑い、唾を吐いた後その場から離れた 18歳の夏、俺は親友をこの手で殺した それが全ての始まりだった  
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