視線

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  人を‥‥‥しかも親友と思ってた奴を殺したと言うのに不自然なくらい冷静だ ただ単に“殺した”と言う実感がないだけなのか? だけど目を閉じれば智哉のあの顔を鮮明に思い浮かべる事ができる 何よりも、この手にはあの時のなんとも言えない感覚が残っている こんな俺は‥‥‥おかしいのか? 「司、早く学校に行きなさーい!!」 遠くから聞こえてきた母親の声に反応して、顔を上げて鏡に映る自分を見た 「‥‥‥‥よし!」 気合いをいれるかの様に一発、両頬を軽く叩いてドアノブに手を掛けた 一瞬だが、誰かに見られている感じがして振り返り、部屋の中を見渡した 「‥‥‥気のせいだよな。」 一人言を呟きながらゆっくりとドアを閉め、急ぐように学校へと向かった  
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