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  固まった俺を見て、智哉も固まっていた 「お前‥‥‥俺が郁美の事相談する度にそう思ってたのか?」 沸き上がってくる激しい怒りで、握っている拳と声が震えている 「‥‥‥今のはごめん。だけど、自分の気持ちを言った以上、もうお前に遠慮はしないから。」 すまなそうな顔をしながら俺にそう言うと、外へと出ていった ‥‥‥俺達“親友”じゃなかったのか? 何で最初に『俺も郁美が好きだ』て言ってくれなかったんだよ 俺の事‥‥‥ずっとそんな風に見下してたのかよ‥‥‥ ランプの側に置いてあった小さな折り畳み式のナイフをポケットに入れ、灯りを吹き消して智哉の後を追うように外へ出た  
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