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(何で初対面なのに『相変わらず』なんて言うんだ?;)
ついに腕組みをして唸りだした俺を見るに見兼ねたのだろう…俺の後頭部には親父の平手打ちが飛んできた
「っつぅ~(泣)」
「この馬鹿者!!
いい加減ピンとこんか!失礼だろうが!!
お前の目の前に居るのは…
三年前まで一緒に道場に通っていた神林祐希だ!」
「……なっ………」
なんだってえぇ~~~!?;
親父が言うことを飲み込もうにも、俺の記憶と明らかに違う点があるせいで素直に頭に入って来ない。
「いやっ…
だってユウキは男だろ!!?」
「…いつ、どこで、誰が、“祐希は男だ”と言った?」
「……え゛……?」
そう言われてみれば…別に誰もユウキについて俺に紹介してない…;
ある日親父が新しい門下生としてユウキを連れてきて…自然と馴染んでいったから…
「だっ…だって…
自分の事『僕』って言ってたし…
言葉遣いも…そんなんじゃかったし、髪すんごい短かったし、俺と同じメニューこなしてたし…だから…」
そうだ…だからユウキは男だと勝手に認識してたんだ───!;
「じゃっ…じゃあ…
本当に君は………」
俺にだけ聞こえるように、彼女はボソリと呟いた───
「クスクス…久しぶりだね、
“チロ”…」
間違いない…;
俺を“チロ”と呼んでいたのは
ユウキだけだ………
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