SIDE1:ハリボテ少年記

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(何で初対面なのに『相変わらず』なんて言うんだ?;) ついに腕組みをして唸りだした俺を見るに見兼ねたのだろう…俺の後頭部には親父の平手打ちが飛んできた  「っつぅ~(泣)」 「この馬鹿者!! いい加減ピンとこんか!失礼だろうが!! お前の目の前に居るのは… 三年前まで一緒に道場に通っていた神林祐希だ!」 「……なっ………」 なんだってえぇ~~~!?; 親父が言うことを飲み込もうにも、俺の記憶と明らかに違う点があるせいで素直に頭に入って来ない。 「いやっ… だってユウキは男だろ!!?」 「…いつ、どこで、誰が、“祐希は男だ”と言った?」 「……え゛……?」 そう言われてみれば…別に誰もユウキについて俺に紹介してない…; ある日親父が新しい門下生としてユウキを連れてきて…自然と馴染んでいったから… 「だっ…だって… 自分の事『僕』って言ってたし… 言葉遣いも…そんなんじゃかったし、髪すんごい短かったし、俺と同じメニューこなしてたし…だから…」 そうだ…だからユウキは男だと勝手に認識してたんだ───!; 「じゃっ…じゃあ… 本当に君は………」 俺にだけ聞こえるように、彼女はボソリと呟いた─── 「クスクス…久しぶりだね、 “チロ”…」 間違いない…; 俺を“チロ”と呼んでいたのは ユウキだけだ………
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