SIDE1:ハリボテ少年記

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「いいか…恭一朗。 お前は飲み込みも早いし、やはり素質がある。必要なのは…この道場の跡取りとしての自覚と自信だけだ。」 「…グスン… そんなこと言われても…僕にはムリだよぅ…」 なんとかメニューをこなし、ゼイゼイと息を吐きながら床に大の字に寝転ぶ恭一朗に、父親お決まりの『説得作戦』が始まった。 「いいや!大丈夫だ!! 私が保証する。 お前は良い嫁をもらって、この道場を益々繁栄させていくだろう…。」 「…僕みたいに弱い奴に…おヨメさんなんて来ないよ…グスン…」 「ふっ………。 安心しろ…。それも保証する…」 「え…?」 父親の、何かを企んでいるような…何とも言えない表情が気になり聞き返した恭一朗だったが…タイミング良く祐希が戻ってきた。 「…何でもない。さぁ!祐希も戻って来たことだし、稽古を再開するぞ!」 「え゛ぇ~!?(泣) まだ5分もたってないのに~!」 「つべこべ言うなら… 練習内容を追加するぞ…?」 「うぅっ…… やります………。」 この時の会話が さりげな~く重要であったことなど、恭一朗が知るよしもない───。
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