SIDE1:ハリボテ少年記

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──三年後…── いつしか料理は俺の趣味となり、 (親父に邪魔されながらも)日々思いつく創作料理のアイデアを自分のレシピノートに書き留めていた時…唐突に親父がその話を切り出した…。 「今夜、お前の婚約者が来る。 母さんには伝えてあるから…しっかり支度しておけ。」 あまりにも唐突に出てきたその話題に、頭がついていけない。 「………は?……… 誰の…何が来るって……?」 もう一度聞き返しても、内容は変わることはなくて… 「一度で理解しろ! 『今夜お前の婚約者が来るから、しっかり支度しておけ』わかったな!?」 「はぁあっ!?;」 判ったけど解らない!!;婚約者!?俺に? まだ中学三年なんだけど!?; 混乱して整理がつかない俺の頭の中など無視されたまま、親父は母さんを呼び、俺の着物を選び始めた…。 「ちょっ…ちょっと待った!;」 スラスラと進んでいく準備に“待った”をかけるが… 「男に“待った”と“二言”は無し!!」 などと、親父から意味のわからない切り返しを受けた。 いやいやっ!; ここはさすがに“待った”有りなんじゃないのか!?;
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