SIDE1:ハリボテ少年記

8/21
前へ
/223ページ
次へ
その少女の隣に立っている端正な顔立ちの男が、俺に話し掛けてきた。 「やぁ、初めまして。 写真と話には聞いていたけど…本当に立派な風格だね。君なら道場をより発展させていけるよ。」 悪意の感じられない言葉に、逆に警戒してしまった。(ナニモノだ…?この男…) そんな俺の心を読んだかのように 男は名乗った。 「あ…申し遅れました…。 僕はこの子の父親で、神林栄功と言います。今後ともよろしくね。」 「はぁ… よろしくお願いします…」 ぎこちなく頭を下げると、それを見ていた少女がクスクスと笑いだした。 仕草からして、どう見ても箱入りのお嬢様って感じだ。 「後れ馳せながら…私も自己紹介させて頂きます。 私は… 貴方の婚約者の…神林祐希です。 よろしくお願いします。」 「………ん………?」 カミバヤシ ユウキ……??? どっかで聞いたことある響きだ… ユウキ… ユウキ… 祐希… 「あ゛~~~~!!!」 思い出した!!!; あのユウキと同姓同名なんだ!!
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

492人が本棚に入れています
本棚に追加