SIDE1:ハリボテ少年記

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「…どうかなさったのですか?」 不思議そうな表情でこっちを見る 神林祐希… 「い…いや…その… 俺の幼なじみと…同姓同名だったから驚いて…」 正直にそう告げると、なにやら再びクスクスと笑いだした。 意味もわからず笑われて、気持ちが良いはずがない。あからさまに不愉快な顔を表せば…彼女は俺の顔を見て、笑うのをピタリと止めた。 (ヤバイ…;恐がらせたか…?) 大抵の初対面の奴らは、何もしてないのに俺を見ただけで怖がる。さらに睨みをきかせたら、腰を抜かしてしまうか猛ダッシュで逃げることだろう…。 小学校では女子を泣かせてしまったこともあった; (ただ太陽の光が眩しかっただけなのに↓↓) 彼女もその女子のように、俺の強面に恐怖心を抱いて笑いを止めたのかと思えば… 「…失礼いたしました…。 唐突に笑うなど、気分を害されましたよね…。申し訳ありません」 そう言って深々と頭を下げた。 こんなに頭を下げられたら、逆に悪いことをしているような気分になってきた; 「あの…もう気にしていないので頭を上げてください…;」 あわてて彼女に駆け寄ると… またクスクスと小さな笑い声が… 「…相変わらず… お優しいのですね…?」 「………はぁ……?」
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