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「…どうかなさったのですか?」
不思議そうな表情でこっちを見る
神林祐希…
「い…いや…その…
俺の幼なじみと…同姓同名だったから驚いて…」
正直にそう告げると、なにやら再びクスクスと笑いだした。
意味もわからず笑われて、気持ちが良いはずがない。あからさまに不愉快な顔を表せば…彼女は俺の顔を見て、笑うのをピタリと止めた。
(ヤバイ…;恐がらせたか…?)
大抵の初対面の奴らは、何もしてないのに俺を見ただけで怖がる。さらに睨みをきかせたら、腰を抜かしてしまうか猛ダッシュで逃げることだろう…。
小学校では女子を泣かせてしまったこともあった;
(ただ太陽の光が眩しかっただけなのに↓↓)
彼女もその女子のように、俺の強面に恐怖心を抱いて笑いを止めたのかと思えば…
「…失礼いたしました…。
唐突に笑うなど、気分を害されましたよね…。申し訳ありません」
そう言って深々と頭を下げた。
こんなに頭を下げられたら、逆に悪いことをしているような気分になってきた;
「あの…もう気にしていないので頭を上げてください…;」
あわてて彼女に駆け寄ると…
またクスクスと小さな笑い声が…
「…相変わらず…
お優しいのですね…?」
「………はぁ……?」
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