~別れ~

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彼よりもっと早く出逢えたら… 貴女と向き合えたら… きっと僕は焦る事もなく 貴女の歩幅に合わせられただろう。 もっと長く居られたら… 貴女に触れられていたなら… 2人は心も重ねていた。 どれ程愛せば愛と呼んでいいのだろう? 誰も傷つけない恋を 人は愛と呼ぶけれど 誰も傷つかない恋は 愛ではなく偽りだと思う。 最後の夜 僕は弱いねと貴女に告げた時 貴方は強いよって言ってくれたね。 ズルい人だ。 そう言われたら最後まで強くいなきゃいけないじゃないか。 『今日だけはずっと一緒だよ?』 そう言って時計を伏せ 優しく微笑みかけてくれたね。 優しい人だって 最後までわかってた嘘を信じる気になれた。 だから… 笑顔崩さないで… これ以上 嘘を見抜きたくない…。 最後まで嘘を信じさせて もう貴女を忘れられなくなってしまったから。 声に出さないまま 貴女を愛してると心の中で呟き最後の日を過ごした。
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