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陸が彼女に夢中なのは知っていた。
だけど陸の遊び癖はそれに勝る程酷かった。
あんな奴にあゆと付き合う資格なんてない。
俺ならあゆを悲しませたりしない。
あゆと連絡を取り続け1ヶ月程過ぎた頃
陸の浮気疑惑が確信に変わった。
俺『もしもし?』
あ『…………。』
俺『あゆ…?
どうしたの?』
あ『…………。
もう嫌だよ…。』
震えた泣き声。
俺『どうしたの?
今どこにいるの?』
あ『…公園。』
俺『どこの公園?
すぐ行くから教えて?』
心臓がバクバクと音を鳴らし今にも爆発しそうだ。
あ『×××公園。』
場所を聞くなり車へ乗り込みその場所へ向かった。
公園に着きすぐにあゆを見つけた。
靴を履いていない。
寝間着のような格好でしゃがみ込み小さな体が小刻みに震えている。
どうにもならない感情と苦しさで思わずあゆを抱き締めた。
俺『ウチにおいでよ?
あいつはやめな。
俺の方があゆを…』
好きだから。
そう言いたかったがその言葉を言えず飲み込んだ。
こんな状況で言えるはずがなかった。
あゆはただ頷くばかりで強くしがみつき泣きじゃくっていた。
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