過去の記憶

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過去の記憶

4月25日。 朝、目覚めるといつも私はいつも決まってぼやけた目を擦り、窓の外を見る。 自室として使っている書斎の窓から眺める風景はいつもと同じで、街を歩く人々は何処か忙しそうに歩いている。 学生、スーツを着た会社員、ざっと見渡すとそんな人達が過半数だ。 時計は8時30分を回っていた。 きっと、みんな学校や会社に迎かう途中なのだろう。 と、こんな感じに高い所から人達を観察するのが、私の一種の趣味でもあり、仕事柄による習慣でもあった。 宇都宮真次(うつのみや しんじ)現在28歳。最近、美容院で髪を散髪し、今は短髪の髪をオールバックにしており、彫り深い外人のような整った顔立ちをしている。 しかし、普段無表情のことが多いためか、人にはあまり良い印象を持ってもらったことがない。 東京の大学を卒業後、司法試験を習得し、東京で検察官に就職するも、2年で辞職。 現在は地元の宮城に戻り、仙台の勾当台公園とい都市公園近くにある……ビルの2階を借りて、宇都宮探偵事務所所長という肩書きで、今年から3年目に突入した。
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