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「もうすぐじゃ……」
既に何十分……
いや、一時間かも知れない。
そのぐらい歩き続けているので、¨もうすぐ¨に期待はしない。
しかし、意外とすぐのところで、婆の足取りが止まった。
「つきましたか!?」
全身からの期待を込めた声で聞く。
「まぁ見ておれ…」
そう言うと、婆は俺を一歩後退させた。
何をする気だ……?
婆は前方の闇に向かって、皺くちゃの手の平を構える。
「界印絶領開光動黒殺裂陣境結封……」
………はい?
おーい、おばあさーん。
こんなとこでボケかー?
「開けー、ゴマ!」
古っ!
最後は古典的だなオイ。
すると、目の前にあったと思われる壁が、ギギギギと、横にずれていった。
………むかぁしの漫画で見たことあるような、ないような………
壁の奥にも闇が広がっていて、正直今まで歩いてきた道と変わらんように見えた。
「ふむ……隠れているようじゃな……」
「隠れてるって……何がですか……?」
封印されてるものって、生き物なのか……?
こんな洞窟に封印するくらいだから……
熊とか……ゴリラ……?
………パンダ………!?
思考回路がショートしてきた……
「……む、出てきたようじゃぞ」
婆の視線の先には……
闇を照らすような、真っ白い……
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