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サキは俺の手を引っ張りながら、洞窟の奥へと進んでいく。
………って、ババアは!?
「気をつけるんじゃぞ~」
その声に、後ろを振り向くと、婆が呑気に手を振っていた。
テメェは来ないんかい……!
チキショー…!
…………闇の中を、サキに引っ張られながら走り続けると、奥の方にうっすらと光が見えた。
出口か……?
ようやく見えた終わりに、俺はスキップを刻みながら駆けていく。
「ご主人様! 気をつけるといいです…!」
えっ……?
それって、どういう……
意味を把握する前に迎えた、洞窟の終わりは………
空中だった。
「うぉわぁぁぉ…!!! 落ちるぅぅうぅうぅぅ……!!!」
当然、重力により、一直線に落下していく俺とサキ。
何で……
何でサキは笑ってんだー…!
「いらっしゃ~い!」
……へ?
気付けば、羽根の生えた人間が、落ちていく俺とサキを受け止め、バサバサと飛んでいた。
「え……? 羽根……?」
「おいらは鳥人間のジャッカルってんだ、よろしくな!」
カッケェなオイ。
主人公のはずの俺を、遥かに凌駕する、ジャッカルとやらの格好良さは、何なんだ一体……
「あんさんが、サキの主人様ってやつか?」
「知っているのか?」
「そりゃそうさ! サキはこの街じゃ、アイドル的存在だからな!」
ア、アイドル……?
……まぁ確かにカワイイけどさ……
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