第二章~邂逅――真実の門、そして始まり――

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 壁に並んだ沢山の同じ色、同じ形、同じ大きさの扉。その合間を縫うようにある緑色の光。非常口の標示。  此所は、何処?  深い記憶の海の底に沈んだ、霞んだ記憶は曖昧で……。  私はいつ此所に来たのだっけ?何故、此所に運ばれたのだっけ?私には此所――病院――に来る必要はあったのだったっけ?私は何をしていたのだっけ?『アルカナ』に来る前は、一体何をしていたのだっけ?  霞が掛ったかのような……はっきりとしない、そんな記憶。  ……学校。……学校。
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