第二章~邂逅――真実の門、そして始まり――

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 私が彼女を?私が人を?人を殺めた?  手に握られていたナイフがすべてを物語る。  私が?  そんな筈はない。そんなわけがない。全部夢。そう、夢の話。現実ではない。でも、凄くリアルな夢。  まるで手に残っているかの様なナイフが肉に突き刺さる感覚が生々しい。鼻の奥にまだ血の匂いが残っている気すら起こってくる。  そうでは無かった気もする。ナイフが虚空を描いただけだった気もする。或いは、もっと、別の……。別の……。
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