8人が本棚に入れています
本棚に追加
秋色に染まった紅葉のように、あなた色に染まった私は、…もう、元の色には戻れない。
私は気付いていた。あなたに女の影を……。
だって、抱き方が変わったもの。
それに、接吻もしてくれなくなった。
判るわよ、そのぐらい。
私より若い女?…多分、そうでしょうね。
「ね、別れてあげるわ」
「えっ?」
驚いたように目線を上げた史朗の目が、一瞬、笑ったように見えた。
「その代わり、最後の旅に付き合って」
「……」
目を伏せた史朗の表情は、いかにも迷惑そうだった。
最初のコメントを投稿しよう!