初恋

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俺は酒井さんの本心を聞いて、胸のつかえが取れた気がした。   そして俺は、酒井さんに背を向けて、一人きりで歩き出した。   「・・・うん!!元気でね!!」   酒井さんは遠ざかる俺に、最後の言葉を投げ掛けた。       俺の恋は終わった。   やっと終りにできそうだった。         家に帰った俺の頭の中に、サッチンの顔が浮かんできた。   今までは、常に酒井さんの事しか、考えられなかったのに、サッチンの顔が浮かんできた。   「・・・サッチン・・・」   俺はサッチンに電話を掛けた。   酒井さんの恋が終りに、少し冷静になれた俺は、今まで他に好きな人がいるのに、サッチンを騙していた事を謝りたくなった。   その時はそう思ったが、今思うと、寂しさを紛らわす為に電話したのかも知れない。
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