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しかし、梅雨が明けると犯行は途絶えた。
捜査本部も時間が経つに連れて縮小を余儀なくされる。
騒ぎたてたマスコミも静かになり、そのせいで人々が事件を忘れ去っていた矢先だった。
一年経過して梅雨が始まり、再びあの殺人鬼が戻ってきたのだ。
動機がわからないので、界隈に走る恐怖は簡単な問題では済まされない。
「一体何が目的だ」
近藤は車に備え付けの灰皿で煙草を揉み消す。
現場に着いたので、二人は車を降りた。
既に鑑識は到着しており、現場の確保を終えている。
近藤は手袋をはめると、立入禁止の黄色い帯をくぐった。
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