序章

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指定された時間より5分ほど前に喫茶店に到着した真は、少し離れた場所に身を潜め、前もって教えてもらった携帯へ電話をかける 流石にこのような喫茶店で面接となると明らかにいかがわしいのは目に見えている 少しでも自分が不利にならぬよう、細心の注意をする為に敢えて中の様子が見れるこの場所から電話をかけた 『はいもしもし。』 電話に出たのは男 店内を見回すと少し小太りな男が携帯を耳に当てているのがわかった 『もしもし。自分は昨日面接を申し込みました黒澤と申しますが。』 『はいはい、承っていますよ。もう指定した喫茶店で待ってますので。着いたらまた連絡下さい。』 『わかりました。今から向かいます。』 電話を切るとほぼ同時に小太りの男も携帯を置いた 【どうやらあの男で間違いないな。いきなり何かされる心配もなさそうだ。よし…いくか。】 少し時間をおいた後、真は喫茶店の扉に手をかけた
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