序章

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先程の電話で男が誰なのかわかってはいたが、一応携帯で到着したことを伝えると、やはり小太りの男が真を呼んだ 『こっちです。』 軽く会釈した後、対面の席に座るよう促される 『どうも初めまして。檜山と申します。黒澤さんですね?とりあえず何か飲みますか?』 檜山にメニューを渡されアイスコーヒーを注文する 『こういった場所で待ち合わせすると大概の方はバックれる事が多いんですが、黒澤さんはちゃんと時間通りに来てくれて嬉しいですよ。』 社交辞令ともとれる会話を交わしながら名刺を差し出す檜山 「King&Queen」 名刺には檜山の名前の他にこの名称と携帯番号のみ書かれており、固定電話の番号や、住所は一切不明であった 【やはり見るからに怪しいな。覚悟はしていたが。しかし、虎穴に入らずば虎児を得ずだな。】 真はまともな仕事ではない事を見抜きつつも、敢えてこの仕事に乗ってみようと決心する
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