いらない運命

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バチバチと閃光が走り、辺りが光に包まれる。その光の中心に、少年が恨めしそうに眼前の男を睨んでいた。 その男の後ろには二人の男女がいて、少年を蔑んだ眼で見詰めていた。 『騙した、のか』 苦し気に少年が問う。 男女は一歩後退り、男は一歩踏み出した。 笑みを浮かべながら。 『騙す…? まさか。俺達は最初から、お前を封印するつもりだったよ』 『……』 『まさか信じていたのか? おこがましいな。恥を知れ化け物が』 『この…』 その時。 少年の目の下にあった、絵筆で引いたような紋様が消えた。 同時に少年の意識も霞んでくる。 『…覚えてろ。俺はお前を許さねぇ。必ず、復讐してやる』 ギラッ、と殺気のこもった眼で、歯を食いしばりながら。 そんな瞳が揺れ、つぅ、と一筋の涙が頬を伝った。 『もう、人間なんか…しん、じ…ねぇ…』 ドサリ、と光を失った少年が倒れた。 男女が感嘆の声を上げ男に歩み寄る。 『ありがとうございます、シロウ様』 『これで魔は去りましたね』 男――シロウはニヤ、と笑みを浮かべると、服をはためかせながら少年を少年の住み処であった館へと放り込み厳重に鍵をかけた。 『いえ、退魔師として当たり前のことですよ』
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