奪う者と護る者

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油断した。 トウキは舌打ちをしながら自分の浅はかさに苛立ちを覚える。 100年封印されてはいたものの、自分がたかが人間に負けはしないだろうと思っていた。 封印された時だって、不意をつかれただけ。 眼前の男の愚弄さもあり、もう人間になど負けないだろうと思っていた。 だが、天敵は天敵。 闇は光に勝てない。 ジリジリと照らされ焦がされ闇は消えてゆく、そんな感じがした。 聖なる退魔の気を纏う剣に斬りつけられた体は、魔力を上手く出せない。 「どうした魔人? 終わりか? ならさっさと斬られて絶命してくれ。ラナと挙式を上げないといけない」 ザシュッと肩を斬られる。また赤い血がトウキを塗らし、トウキは荒く呼吸を繰り返しながらシロトを睨む。 「挙式だと? 笑わせんな」 「なっ!」 「ラナは、渡さない。生涯ずっと護ってやる。お前がラナを奪うというなら、俺はラナを護る」 その言葉に、シロトはカッと頭に血を昇らせる。 それは、狂気。聖なる力の歪んだ光。 「俺からラナを奪うなっ!!」 ドスッ。 「っ! トウキ君!!」
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