護るから、だから

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「まだ、寝るなよ。なぁ。俺、まだ言ってねーよ。俺も、一緒だよ。なぁ。言わせろよ。聞いてくれよ。なぁ、 ラナ……!!」 「……」 トウキの呼び掛けに、ラナは反応を示さない。 目は閉じたまま、ぴくりとも動かない。 暫く黙っていたトウキは、後ろの方で腰を抜かしているシロトに背を向けたまま言葉を発する。 「……出ていけ。二度と俺の前に現れるな」 「う、ひぃ……」 ごそごそと慌ただしく立ち上がる物音にトウキはシロトへと視線を向け、ギロリと睨みを効かせた。 それに震え上がるシロトは恐怖を顔に貼り付けながら硬直してしまう。 「次は……殺す」 「う、わぁっ!」 ベシャ、と時折転げながらシロトが走り去っていく。 軈て、しんとした空間にラナと二人きりになり、トウキはもう一度ラナの顔を覗き込み、頬に手を添える。 「ラナ……。ごめんな」 幸せに、出来なかった。 確かに始めは、復讐の為に拐ってきただけだった。拒絶して傷付けた。 そんな俺に、近寄ってきた。傍に、来てくれた。温かくて、優しくて。 復讐に囚われて、お前を利用しようとした俺を優しいって、言ってくれた。 気付けば惹かれていて。 一緒に生きたいと思った。
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