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「キッ、キスしてたの!? う、わぁっ! 恥ずかしいな、覚えてないや」
照れ臭そうに笑うラナに、トウキは面食らったようにラナを見詰めた。
ラナはそんな様子のトウキにへらっと笑みを浮かべた。
「何で謝るの? トウキ君、言ったじゃん。ずっと一緒にいようって。つまり、私とトウキ君の寿命が同じくらいになったんでしょ?私が早くにいなくなって長い長い間トウキ君を残すなんて嫌だよ」
その言葉に、トウキは目の前の少女が堪らなく愛しく感じた。
「……ラナ」
「私、友達もいないから、取り残されるとか思わないよ。ただトウキ君が傍にいてくれればそれでいい」
だからね。
そんな悲しい顔をしないで。
ぽふぽふ、とラナはトウキの頭を撫でた。
ずっと、ずっと一緒に。
ずっと君の傍に。
広い背中に、精一杯、腕を回して。
「ずっと、傍にいるよ。私は君が、好きだから」
どんなに気の遠くなるような年月を生きていったって、君が、いるなら私は幸せ。
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