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「このまま…運命に流されるだけなら…死んでもいいかな…」
その時、トウキはふと少女に視線を向けた。
何もかも諦めたような自嘲的な笑みを浮かべながら、何処か遠くを見詰めている。
そんなラナに何を言えばわからず、トウキは黙って走り続けた。
ラナもただ無言で、お互い言葉を交わさなかった。
トウキの風を切る音と、地を駆ける音。
トウキの頭の中で、ラナの顔がずっと張り付いていて、トウキは訳も分からず小さく首を傾げた。
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