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翌日の早朝。
今朝の朝日が昨日の夕日と良く対比されている感じに輝いている。
よく晴れて晴れすぎなんじゃないかと思えるような太陽が朝から全てを照らしていた。
でもそんな晴れやかな一日も砂上の楼閣のごとく崩れ去る。
目が覚めて、制服着替え、朝ご飯。これがいつもの僕のローテーション。僕は起きてすぐ制服に着替え部屋を出る。
そして廊下で弟を見かけた。
僕と三歳違いで、鍛えられた肉体がギリシャ彫刻のようで、男である僕も惚れ惚れする程である。
それでいて可愛いソプラノボイス、目に入れても痛くないッ。
「兄貴兄貴!どうかな?、これ!」
そう言われて僕の目に映ったのは女子の制服を着た可愛い弟であった。
フリフリのスカートの下にはトランクスがはみ出し、胸元はその強靱な胸板が浮き彫りになっていた。
この瞬間から可愛くなくなった。目の前の人間が他人のように思えた。
「ねぇ、兄貴……兄貴?」
言葉が出ない。無理に言葉を出そうとすると代わりに嘔吐物が出そうなほど僕の心には深い不快感情が押し寄せてきた。胃液が喉の辺りまで這い上がってくる。
もう朝ご飯食べられない。
僕は食卓に佇む父と母を無視して玄関へと一直線に駆けていく
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