0:序章-02

6/10
前へ
/28ページ
次へ
 それに先ほどの返答も曖昧に返した気がする 「……どうしたんですか、昨日みたいに飄々としてくれないと面白くないですよ」  昨日の僕はそんなに飄々としていただろうか。今朝の出来事が衝撃的であったため昨日の事は影に隠れあまり覚えていない。 「昨日叩いた事は謝ります。でも昨日の先輩はモラルがなさ過ぎですよ。いつもの先輩じゃありません。」 「………おかしいな、君と僕は昨日初めてあったばかりなのにその言い分だと僕という人間を津々浦々知られているような気がする……」 「目には目、歯には歯ですよ」 僕が彼女の事を調べたように彼女も僕の事を調べていたようだ、と感心するのはまだ早い。先ほども言ったように会ったのは昨日だ 「…………どのくらい知ってるんですか?」 「ええと、とりあえず教室でのあだ名は「ミクちゃん」です」 「そのあだ名は忘れてくれ」  何でこんなあだ名なんだ。はてなし 美繰。もっと良いあだ名考えつくだろ…… 「あと父、母、弟の四人家族だと聞いています」 「…………」  これだけの短時間で調べられたのか……いや短時間と言っても放課後に初めて会ったんだ、僕のクラスメイトから聞く事も難しいだろう。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加