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僕は改めてこの子が「理数は満点国語は底辺」と言う事を思い知らされた。底知れぬ才能の差が僕に焦燥感を掻き立てる。
「引っ込み思案であまり他人に干渉したがらない、しかし頼まれたらNOといえない、そんな先輩がまさかあんな事を……」
「君がどこまで僕の事を知っているかは別として……君は一体僕の何に憤慨してるんだ…」
「あのテストを雫ちゃんに見せた事です!!」
「あのテスト、ああ、」
ここでようやく昨日の記憶が甦ってきた。
「実際ああいう点とったのは事実なんだしあのときの説明に必要不可欠だったわけで…」
「殺しますよ?」
不意に悪意がこもった言葉が降りかかってきた、目つきは昨日の何十倍もの閃光を放ちながらこちらを睨みつけている。ついでに言霊も同様の念がこもっていた。
もし目つきで人が殺せるならばすでにホロコーストのレベルである。
「………ごめん、本当にゴメンナサイ」
これは今すぐ謝らなければすぐさまフラグ消滅どころかバッドエンドに行き着きそうな流れである。語り自体は飄々としているが実際はめっちゃこわい。
「………好きな子に自分の汚点を見られるのなんて嫌なんですよ……」
「好きな子…」
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