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「…………………」
いつもより体が重く感じる、振り返ればそこにはカワイイ語さん。その弱々しい手で僕の制服の裾を掴んでいた。
だがこんな弱っちいパワーで僕を止められると思ったか、残念ながら僕は意外にも体育の成績においてこのクラスの上位十位に入るほどだ。小娘如きに抑えられるはずがない。
「……………………」
そのまま無視して教室のドアの前まで来たが未だに体が重い。振り向けばそこにはヤッパリ語さん。その弱々しい両手を使い体を床に擦らせながらも制服の裾を掴んでいた。
「帰るんだからさ、放してくれ」
いくら体張っていても迷惑であることには変わりない。その弱々しい五指を簡単に解く。
床にへたり込んだ語さんは肩を奮わせ叫んだ。
「そりゃ…そりゃないですよぉぉぉーーッッ!せんぱぁーーいッッ!」
語さんは涙を流しながら僕の方ににじり寄ってくる、先程とはうって変わって情けない涙だ。
「何で帰るんですか!?先輩は放課後人生相談を承っているんでしょう!!哀れな子羊が待っているんですよ!!」
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