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「そうですけど…」
身分を明かしたせいか猜疑の目が少しずつ緩和されていってる。
「それで一体私に何の用ですか?」
「何々!?もしかして語に告白!?」
髪を縛っている子が唐突に元気良く話に割って入ってきた。
そんなんじゃない。そんなのじゃないのに顔が誤解させるように紅く夕陽に同調していく。
女性経験なんてあまりありません。ウブな奴と笑えばいいさ
「仲人はおまかせ!ちなみに僕の名前は秋葉鍵雫(あきはかぎしずく)!4649夜露四苦!」
もう否定しても無駄に感じる。それならとっとと本題に移ろう。
「君…語さんだったね。君は学年内で「あんばらさん」というあだ名で通ってるよね」
「…よく知ってますね」 雫さんと違って語さんは僕にいい感情を持っていないようだ。
口調も重いし目つきも鋭い、その足で音もなく僕の足を踏みつけていることから確定だ。
「あんばらさん…あだ名にしては真名とどこも被っていません。
それなら何かとある出来事から取っているとも考えられますが、学年全体に知られていることからこの線は薄いです。
まぁ考えられなくもないですけど」
二人とも口を挟むことなく僕の言葉を黙々と聞き続けている。
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