0:序章-01

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「ではそもそもなぜ学年全体に知れ渡っているのでしょうか? おそらくあなたは学年全体に関わる事でそのあだ名が付いている、 学年全体に大きく関わる事と言えば何か? 学年行事です それも大多数の人間が個人を知るほどの、まずそんな行事はあまりありません。人というのはクラスが違えば無関心なもの、個人が全体を知る機会で代表的なものと言えば偏差値です。そう、そのあだ名の由縁は定期テストでしょう」  次第に口が回り始める このまま一気に言ってしまおう 「テストは毎学期あるものです。この頻繁さなら学年全体が知っててもおかしくありません。 ではあんばらさんというあだ名の由来は? 簡単なことです。 あんばらさん…アンバラサン…アンバランサー おそらくあなたはこの学年の偏差値に大きく影響しているんじゃないですか?一方に偏った状態で!」  夕陽を背景に僕は語さんに指さした。 こういうのって何か凄く清々しくて気持ちが良い。 「凄いですね!!誰に聞いたんですか!?」 …聞いたんじゃない……そういう言い方されると他人から聞いた言葉を一から説明したみたいでカッコ悪いみたいじゃないか…
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