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「…で、推理して一体何がしたいんですか?」
認めてくれる人は辛辣な言葉を浴びせてくる。
余計な回り道をしたせいか余計に傷ついた、話の核にいかなきゃ心が保たない。
あくまで先ほどの推理は核に移行するための前座にすぎない。
「…語さん、君はあだ名以前に評判になっているんです。数学、英語、理科、歴史において全国模試一位を維持している。」
語さんも雫さんも黙って僕の話に耳を傾けている。ここから先は真剣な話だ、素直に聞いてくれて大いに助かる。
「しかし、三大教科である国語は全国最低クラス。
少し気になって調べさせてもらいました。」
「でも人には得手不得手があるじゃん。たまたまでしょ‥」
雫さんが僕に話しかけている間、語さんは腕に顔を埋めている。
僕はポケットの中から紙切れを一枚取り出した
「?なにこれ…」
雫さんはその紙切れを無造作に広げた。
赤のペンで○やら×やら描かれているその紙切れ。そして和歌里語の名前、雫さんも最初は口を動かしながら鼻歌交じりで読んでいたが次第に口を閉ざし始める。
「ねぇ、これネタでやってるの?」
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