0:序章-01

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・問三 傍線部に「だから私は幸せなんだ。」とありますがその理由を答えよ ・頭において幸せと思う成分が作用しているから、もしくは氷点下に晒された頭が誤作動を起こしている 「ちなみにそこ…他の人は「女の子と一緒だから」とか「一緒に羽織った布が暖かったから」などとありました 模範解答としては「今まで辛い目に遭ってきたけどやっと安心を得ることができたから」があります」 「……」 「これはまともな思考じゃありません」  語さんは最初の時よりも何倍もの憎悪が込めて睨みつけている。 僕はそれに気づきながらも胸の内の感情をそのまま口に出していた。 「僕は…君が怖いです。」  途端頬に衝撃が走った。語さんは僕を叩いた手で自分の荷物をとり、一目散に教室の外へと走り去ってしまった。 「美繰先輩…」  雫さんは突然の行動に驚きつつ僕の心配をしてくれる。 「予想は出来ていましたよ」  僕は叩かれた頬をさすりながらちょうど空いた雫さんの向かいの席へと腰をかけた。 「なまじ天才すぎるんです。その上でああいった思考は危険なんです。」 「……一体先輩は語に何を?」 「いや、ただ一緒に働いて貰いたいだけです。もめ事などの相談のね」
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