0:序章-01

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 僕は趣味で他人の相談を受けている。相談というのはなかなか人のことを理解しなくては出来ないものだ。 「だから体験させることて人のことをを思える人になってほしいんです。」  それを聞いて雫さんは微かに口元を緩めた。 「先輩って…いい人ですね」 「多分その認識は誤ってますよ。ちょっと自己満入ってますし」  そして雫さんも僕も微かに笑い出す。 「じゃあ後でそのことを語に言っておきますから」  そう言いながら雫さんは教室からとっとと出ていってしまった。 背中姿は何処かしら嬉しそうに見える。  こうして僕は自分のクラスでもない教室に一人取り残された。 唐突に襲いかかる孤独感が僕の心を刺激していく 「……本当に…何やってるんでしょうか。」  僕は自己満足で固められた自分の行動原理を自嘲しながら外を眺める。 これが彼女の日常の風景、優美でなかなかいいなぁ。 「……僕もこういう風景を毎日見てみたい」 僕の目に無数の光が入り込んでくる、けどどこかしら暖かい、そんな夕日が映える放課後であった。
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