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初めて人を斬った手応え、あの時おれはそれまでにない恐怖に狂われてしまった。
生き血の刺鼻なる臭いに、数日間ろくに茶飯事も安易にできず。
おまけに相手の死に顔は酷く、それを間近で目に焼き付き、その後しばらくの悪夢を見る仕打ちです。
大変なものなのです。
何事も最初は思い通りにスムーズに行かずなのが世の常。
ましてや人殺し。
だが、何事もいつまでも上達せぬって言うおちにもならないのさ。
まあよほどのバカじゃなければ。(笑)
いかに人殺しと言えとも。
慣れてしまえば、もう簡単な事に、それが茶飯事の様であっさりと出来てしまう。
おれはわりとすぐに慣れた。
もう人の死など、恐れる事はない。どうせ誰しもいずれは死ぬ、それが少し早まっただけの事。どうって事ない…
と、そんな己自身こそが最も恐れるべきやもしれん。
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