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この日、正午、夏風はやや暑苦しく。斑目は茶屋へやってきた。
おれは丁度昼寝の真っ最中でした。
斑目は忙しい、故にここへくるのは仕事の依頼以外ほかならぬ。
『仕事だよ。』
と速攻本題に入る。
おれは日射しの下に横たわったまま。
『名は?』
おれも速攻応じました。
斑目は元絵師、得意とするのは人物画。
『富山政勝と言う、北山城下町によくうろついてる商人だ。 しかし裏では、近ごろ一揆勢の武器の手配を手助けしているそうだ。 がしかし奴の表では西の大名家となんなりの繋がりを持っているが故、なかなか好き放題にやっているそうだ。 一揆が成功すれば無論いろいろと困るお方が居る。そこでだ、その方の腕を借りって貰う。』
と、おれに標的の似顔絵を渡す。
おれは絵を取り、チラッとみた。そしてその人相にとりあえずの殺意が沸いてきました…ブサイクな奴。
『時と場所は?』
斑目:
『事は急ぐ、時は明日、奴の事だ、どうせまた北山城下町でうろつくだろう。午前中に現れ夜には北山城内へ戻る。その間の道端ならどこで殺るがはその方が好きな様にしなさい。』
おれ:
『報酬は?』
斑目は小判の積った革袋をおれの方へ投げてきた。今まで初めての前払いです。
『これだけあれば女十人は飼い殺せる。』
確かに、重さからすればそれは今までとは桁はずれた大金!
『承知。』
でも値段は、仕事の難易度をもの語ります…
斑目は去る。
『護衛は雇われ用心棒が二人、いずれも江戸では名の知れた柳生の一流の使い手。その金は奴らの分も入ってる。 』
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