人斬り

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的地までの道のりは約1日はかかる、つまり、今から急がねば、標的を日暮れ前にしっかりととらえる事が微妙。 『三四朗、出かける、二日ほど留守を頼む。』 荷は愛刀ほか、落花生をいっぱいに詰め込んだ皮袋のみでした。 三四朗はちゃんと解っている、何せガキの頃からずっとおれについてきたから。そんな三四郎におれは自分の本来の職業の事を隠すつもりはなかった。 『お気をつけて、行ってらっしゃいませ。』 と、三四郎はいつもの様に見せたのが、その無邪気な笑顔でした。 おれはあの時、死にかけた三四朗を救った。 だが今となるとおれは、十年間で人の命を奪い金を稼ぎ世と己に自棄をさし、生きてるけどすでに死にかけのおれ自身に、そんな三四朗が救いになった気がする。 とこんな時に何女々しい事を…おれらしくもない。 とにかく道を急ぐ、獲物は、ハンターを待ってはくれぬ。
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