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大きな深呼吸を一つして意を決し、扉をノックして中へ入る
綺「失礼しま「だから、何であたしがそんな面倒な事しなきゃなんないんだよ?!!」
勿論、控え目に言った私の言葉は通る訳もなく、先程から怒鳴っている人の声に見事に潰された
本人達は私に気付かず言い争いを続ける
「他人のオモリなんてまっぴらだ!!他をあたればいいだろっ?!!」
「そう言わずに頼むよ~…;;君が側にいてくれると心強いんだって;;;」
言い争っていたのは、私の叔父さん…理事長と
「心配なら也美が自分で行けば良いだろ?!あたしは暇じゃないんだよ!!」
綺「(な、也美ぃ?!!;;)」
暴言を吐き、理事長ともあろう人を呼び捨てにする女生徒だった
そんな光景に面食らった顔をして呆然と立っている私に理事長…叔父さんが気付いた
也「ぁ、綺姫!!」
子供のように無邪気に微笑み、私に駆け寄って来る叔父さんは
お父さんに似て若々しく綺麗に整った顔をしている
兄弟だなぁ…―
也「綺姫、ずっと待ってたんだよ!」
そう言いながら叔父さんは私を腕の中にスッポリと収めた
この光景を目の当たりにして、あからさまに怪訝そうな表情を浮かべる彼女
腰くらいまである長い黒髪を鬱陶しそうに後ろに払いながら話しかけてくる
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