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「あんた、名前は?」
腕を組みながら私を真っ直ぐ見つめる彼女は、どこか叔父さんと同じ空気を醸し出している
綺麗に輝く黒い髪
それと対象に映える透き通った白い肌
翡翠色の大きな瞳を包む二重瞼と長い睫
モデルのような高い身長に短くしたスカートから覗く細長い脚
何とも整った顔立ちはそこらにはそうそういない美しさを放っていた
綺「(綺麗……可愛い…)」
同性の私でも見惚れる容姿をした彼女は揺るがない瞳で私を見据える
さぞかしモテるんだろうなぁ…などと考えながら私は叔父さんを引き剥がし、彼女に向き直る
綺「初対面の人に“あんた”は失礼なんじゃない?私には綺姫って言う立派な名前がある。大体、人に名を聞く時は自分から名乗るのが道理ってものじゃないの?」
息をつぐこともなく
思った事を躊躇いもなく告げる
一方の彼女は面食らった顔をして大きな瞳を見開き、私を食い入るように見ていた
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