―第2楽章―

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「なぁ、こんなところにいても何にもならねぇし、うちに来るか?」 私たちは正人の提案に乗ることにした。 彼の家は音楽教室をやっているので、防音室がいくつかある。 丁度私もクルミも楽器を持っている。 私たちは直接彼の家へ向かった。 「兄貴。部屋、一つ借りるぞ」 「いいぞ。でも、女の子二人は送ってやれよ」 「分かってるって!」 『お邪魔しまーす!』 部屋に入り、楽器を取り出してから私たちは何を演奏するかの話になった。 「ユンナのバイオリン、聞きたい」 「じゃあ、正人、伴奏やってよ」 「俺の気分で合わせてもいいか」 「オッケー。何するの?」 答えを言わず、正人は伴奏を始めた。 私はすぐに何の曲か分かり、メロディーを弾き始めた。 「あぁ、《チャルダッシュ》ね」 クルミの言う通り、けれど、通常より速いチャルダッシュだ。
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