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不安や不満で、なかなか眠れない夜がとうとう明けてしまった。
家にいても仕方がない。
私は7時になる前に着替えて、登校の準備をした。
母に食事は要らないと言おうとしたが、あまり心配はかけられないため、少しだけ食べた。
というか、少ししか食べられなかったのだ。
食事が喉を通らない。
目玉焼き一つ食べるので精一杯だった。
“熱なんてないはずなのに…”
体調が悪い気がする。
気のせいだと思い込むことにする。
私はバイオリンと鞄を持って、いつも通り学校へ行った。
もちろん楽譜は鞄の中に入れている。
「行ってきます」
「気をつけてね」
少し眠い。
きっと授業中眠ってしまうだろう。
そう思っているうちに、あの公園の前を差し掛かった。
思い出の場所だ。
錆び付いたジャングルジムが寂しそうに佇んでいる。
ブランコは風で揺れるばかり。
《約束だよ…》
昔、仁がそう言った。
“曲を完成させること…それが《約束》…”
確認するように思った。
《見つけてね》
不意に、もう一つ言葉が浮かんだ。
確かに幼い仁の声だった。
“…《見つけてね》…?”
何をかは分からない。
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