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春ですっ。
「音(おん)ちゃんっ!」
「おはよ。舞花。」
俺たちは付き合って間もない。
しかも進級で色々と準備が忙しく、会うことがほとんどできなかった。
「音ちゃんの言う通りカーディガン着てこなくて正解だったよぉ!」
舞花は俺を見上げ、満面の笑みで言った。
(ヤバイ…//むっちゃ可愛い…)
俺は動揺を隠しきれず、人差し指であごを掻きながら目線をそらした。
我ながらベタ也。
「…っだろ?昼寝したら気持ちいいだろうなぁ…」
訳も分からないことを言ってしまった。
だが舞花は違った…
「私も…//いや…なんでもないのっ…〃」
こいつ…こいつ…
コイツぅぅううっ!///
私も…の先が気になるだろうがぁ!
とか口には出できず、
「あ!」
テキトーに指を指してちょっと早く歩く。
本当は赤くなった顔を隠したかっただけなのは、わかってくれたよな?な!?
「なにが~?どこどこ~?」
俺の指した方向を真面目に見るのがまた可愛いらしい。
一足先に玄関に着いた俺は上履きに手をかけたその時。がくん!と右肩が下がった。
「ヘヘヘー…//追いついたんだからね//」
頬を淡いピンク色に染め、息を上がらせて、ニコっと笑った。
たまらなく可愛いかった。
けれど恥ずかしくて
「ありがとうな。」
と言って軽く乱れていた髪を手ぐしで直してあげ、ポンッポンッと頭を軽く叩いて俺は上履きを履いた。
舞花も絡み付けていた腕を惜しげに離し、上履きを履き・・・また腕に絡みついてきた…。
教室までその腕はほどかれることは無く、時折優しくギュッと腕に強くしがみついてきた。
俺にはなぜか分からないが・・・
舞花さ~ん…胸に柔らか~い物が…。
続く。
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