黒い涙

5/36
前へ
/102ページ
次へ
それだけ伝えると、すぐにエリックは消えてしまった。 「あんな、自分!エリック!エリックさんて~!」 霧が晴れていくように次第に周囲が見え、いつものベッドの上だった。 「何や、夢か、は~びっくりした」 マミルは居間に向かうと、母が台所にいる。 いつもの景色だ。 「おはよう、今日は早起きやね」 母親が話しかける。 「なぁおかん、俺の名前って何でマミルなん?」 「何や、急にこの子。亡くなったおじいさんがつけたんやで」 「あのイギリスのアンじいちゃんか?」 「そうやん、アン.E.バーン。Eが確かエリックやったんちゃうかな」
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加