満月

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この天然タラシめ。 「あの状況で追ってくるったら……、私の隣にいたあの人でしょ?自意識過剰だよ」 笑いながら答える。実はその笑いは、あんだけ話してたハズレ君の名前がわからなかったから。 「そうだけどね。……俺の事、気にはしてたでしょ?あれだけ見つめられたら、俺も気になる」 打って変わって真面目なセイジの顔に、戸惑う。 マズイぞ、私。 落とされちゃうのか? 見つめ合ったままの、気まずいような…… このまま流されていいような…… 微妙な沈黙。 おーい、私。茶化しなさいよ。 バカじゃない?って言え! 言えるか! めっちゃ好みなんだよ? 本当は、はじめから気になってたっつーの! 流される歳じゃないでしょ! それでも、流されたい時もあるの! 天使と悪魔の喧嘩。 理性と本能。 酒に酔ってる私。 ……悪魔&本能の勝ちじゃない?
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