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今じゃ、告白も別れも、全部メールで済ませたりするんだってね。
私は好きじゃないけど。
言霊ってあると思うよ。やっぱりさ。
大事なことは、言葉にした方がいいんだって。絶対に。
文章なんて、相手によっては捉え方が違っちゃうんだから。
だから私は、言葉を大事にするの。
「やっぱ!ここだったかぁ」
リカが資料室に入ってきた。
私に言いたい事あるんでしょ。
そう問いかけると、案外素直にうなずいた。
「セイジ君の事なんだけどさ……」
言いづらそうにするリカ。
何かわかったんだろう。いいよ、言っちゃって。今の私、もう傷付く部分は残ってないから。
「どしたの?」
わざとらしく聞く私。
「あのさ、サヤカいるじゃない。一緒にいたんでしょ?」
うん。いたね。
「あのコさ、結婚してるの」
リカはハズレ君と、タカちゃんに相談していた事を教えてくれた。
そこから得た情報も。
「勝手な事してごめん。辛そうなユキ見てたら、何かしなくちゃって思って……」
だけど、いろいろ考えてるうちに、自分のしてる事が『邪魔になる』と思ったんだって。
最初はカチンときた。正直言って。でもね、リカの気持ちわかるから。今回は許すんだ。
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