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「でも、結婚は予想外」
しかもあの『彼』と。サヤカには、『彼』に対しての恋愛感情なんかない。
それだけはわかる。
「セイジ君の考えが、全然わかんないの。何で気にもしてないサヤカを、相手にしてるのか」
それは、セイジにしかわからないよ。もしかしたら口だけで、サヤカを気に入ってるのかもしれない。
「メール?」
私の携帯に、リカが反応。
「うん」
メールを見ると、セイジからの返事だった。
《行くよ》
と一言。
「今日ね、セイジ来るみたいだから。セイジの考えは、私が直接聞くよ」
私の表情から、決心を読み取ったのかな。
リカは、『余計な事してごめん』と頭を下げた。
「大丈夫だよ。言ってくれてありがとう」
昨日、喫煙室で様子がおかしかったのは、これを言うかどうか迷っていたからでしょ。
「そう。あとね……」
ハズレ君改め、ユウイチから聞いた話も詳しく教えてくれた。
ちょっと心が軽くなってる自分が、心底単純だと思う。
「何が真実かわかんない。だけど、ユウイチの話が本当なら……そこも考えて、セイジ君と話して。」
リカはさらに続けた。
「本当は、セイジ君とユキが一緒にいても、幸せにはなれないって思ってる」
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