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セイジ君は、相手の幸せを考えない。だからユキが、いっぱい悩む。
「だけど、好きなら仕方ないって思ってるから。ユキが納得するカタチ、見付けて」
リカは珍しく真面目に言った。
珍しく……なんて言ったら、失礼なんだろうけど。真剣なリカ、久々に見た気がする。
「うん。ありがとう」
心配してくれて。
私の周りは、お節介で優しい人が二人もいる。リカとタカちゃん。
この二人が構えててくれるから、私は暴れて自滅しても立ち直れるのさ。
「久々の戦い」
私がニヤッと笑うと、リカは親指を立てて返してきた。
微妙に古い気もするけど、そこは問題ナッシング。私とリカは、通じちゃうのよ。
「お疲れちゃん!お先!」
私は早々に仕事を終わらせ、定時と同時に会社を出た。
帰り道、リカから《ガッツ!》とメールが入った。
ごはんもモリモリ食べて、お風呂も入った。あとはセイジが来るのを待つ。
私はいつものシュミレーションは、今日はしない事にした。
考えてたらね、自分の欲求に片寄っちゃって、全然シュミレーションにならないのよ。
やっぱり、好きな気持ちは簡単に無くせない。簡単に無くなるぐらいなら、最初から好きになんてならないだろうし。
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